【葉挿し】成長観察:そもそも葉挿しって何?わかりやすく解説!

皆さんこんにちは!

今回から葉挿しにした多肉植物の生育状況を定期的にお届けして、どのような状態になるのかお伝えしていきたいと思います。

そもそも葉挿しは多肉植物を増やす方法の1つです。

多肉植物は葉から芽と根が出てくるのでそこから親株から子供を作ることができるのです。(DNAが同じなので実質クローンを生み出せる)

 

葉挿しを行うというのは、意図的に葉挿しにするために多肉植物を購入してきて親株から葉を取り外して葉挿しにするパターン、または育成している多肉が大きくなりすぎて手入れする際に下葉を取ったり、または作業中に取れてしまったから葉挿しにするということもあります。

 

スペースの都合などは人それぞれですから、無理に葉挿しをして増やそうとしてもその後問題が出ますので注意しましょう。

増やすつもりがない場合は本当に必要のない取れてしまった葉は処分しましょう。

 

葉挿しをするにあたってどの季節が向いているのかという話になると思います。

本によっては春から梅雨ぐらいまで、秋も寒くなる前までが適期と紹介されていることが多いです。

しかし極論ですが、いつでも葉挿しはできなくはありません。適している時期というのは、比較的簡単にまたは早めに芽が出てくるということです。

私はエケベリアやグラプト系に関してはあまり季節は関係ないと思っています。

エケベリア、パキフィツム、グラプトペタルム、グラプトベリアなどは葉挿しがしやすい種類になります。

我が家の葉挿しの成功率は相当高いです。

真夏でも直射日光さえ気を付ければ問題ありませんでした。

 

葉挿しって簡単そうに聞こえますが、意外とシビアなところもあります。

世間的には簡単という紹介をされますけどね。

もちろんできる限りわかりやすくお伝えしていきますので見ていきましょう。

あえて葉挿しを作る意味もある

葉を取ったばかりのパキフィツム「紫麗殿」

葉挿しをすることで実質親株のダミーを作っている状態になります。

細胞分裂で増えているので、葉から根を出し育つと親株と同じようになります。

種の場合と違って葉挿しの場合突然変異で何か違いが出たりというのはありません。

置き場所や管理のキャパに余裕がある方は、親株1つでは枯れてしまう可能性が十分にありますので、少し日当たりなどを変えた別の場所に予備を育成しておいた方がもしもの時に安心です。

多肉植物はきちんと管理していても、慣れている方が育てていても枯れるときは枯れます。

そしてどうしても強い株・弱い株というのが発生します。これはどうしようもありません。

特に少し値段が高い多肉植物や、個人的に好きな品種などはバックアップを取る意味でも、葉を取ることが可能な場合葉挿しを作ることをおすすめします。

品種別葉挿しの向き不向き

これはものすごく大事なことです。

多肉を増やそうとしても様々な方法の向き不向きというのがあります。

葉挿しで増やした方が良い品種、挿し芽で増やした方が良い品種、株分け、胴切りなどなど方法はたくさんあります。

他の方法も別な機会に紹介していきます。

ビギナーが購入する機会が多いのが、エケベリア、セダム、グラプト系、パキフィツム、センペルビウム、ハオルチアあたりかなと思います。

センペルビウムは主にランナー(横から出てくる子株)をカットして挿し芽に、ハオルチアは群生(小さい株が群がっている状態)なら株分け・単独なら胴切りなど、セダムは葉挿しにできなくはないですが、不向きです。挿し芽にしたほうが間違いありません。

失敗しやすいセダムの葉挿し

写真は植え替え時に取れてしまったセダムの葉です。

葉挿し実験用に取っておきました。

このように葉が変色したり透明になったりするとすでに葉の細胞が死んでしまっています。もちろんこれは処分です。

その一方できちんと根も芽も出てきているものもあります。成功率が低いだけでできなくはありません。

私は普段セダムの葉挿しはしません。

基本は伸びた部分のカットをして挿し芽にするか根の部分から株分けするのが大半です。

作業途中でとれてしまった葉のみ一応葉挿しにしているといった感じです。

 

先ほど挙げた中ではエケベリア、グラプト系、パキフィツムは葉挿しに向いている種類です。

もちろん交配種(多種との掛け合わせ)の場合などは不向きになっている種類もありますので、すべてではないということは頭に入れておいてください。

葉挿しの方法

葉挿しの方法は言葉で説明するならいたって簡単です。葉を取ればいいだけです。

気を付けることは、葉の生えている「付け根の部分」をきれいに残すようにやさしく親株から外すこと。

葉をやさしくつまんで左右に揺らしてみてください。

グラプトペタルムなどは少し触るだけでぽろっと落ちることも多いです。

パキフィツムなども同様です。とにかく強引に引っ張らないことが大切です。

やさしく外してきれいに付け根を残す!

もし強引にとってしまい、根本が切れているとその葉は根(芽)が出てきません。

そもそも取り外した葉が100%根(芽)が出るとは限りません。そのため確率を上げるためにもきれいにとる必要があります。

 

そして取り外した後の作業ですが、さまざまな方法が世の中にはあります。

私の場合は鉢皿に培養土でも何でもよいので乾燥した土を少し入れてその上に取った葉を並べます。上記の写真の状態がまさにそうです。

紹介されている本やサイトによっては、土の中に取った葉をそのまま挿すものも紹介されていたりしますが、本当にビギナーの簡単な方法はこのまましばらく放置です。

時期や種類にもよりますが、最低でも1カ月はそのまま放置です。室内でも構いません。

夏の直射日光が強い場所は葉がダメになってしまうので避けて日陰などで管理してください。

冬も同様に霜が降りるような環境ではダメです。そもそも冬は向いている季節ではありませんが、室内ならできなくはないです。

 

イメージとしては、

まずは付け根を乾燥させる → その後は何もせず根(芽)が出るまで待つ → 根だけでなく芽が出てきたら少し日光が当たる場所に置くように心がける → 大きくなってきたらやっと土に植え替えする(ここまで2カ月~3カ月)

私は基本この流れで葉挿しにしています。そんなにやることはありません。

経過観察をしていれば良いレベルです。

葉挿しにして1カ月半のピンクプリティ

きれいに葉を取り外して、真夏の炎天下でなければ1カ月~2カ月で上記の葉挿しのようにかわいいチビちゃんが出てきます。これではまだ植え替えできないのでもう半月~1カ月ぐらいはそのままで大丈夫です。

3カ月する頃には個体差がありますが、だんだんと葉が枯れてくるものがでてきます。

そうなると元葉からの水分と養分がもらえなくなるので植え替えが必要になります。

根が出ていればそれまでに土に植え替えても良いですが、ある程度大きくなるまでは管理が面倒なので育ってからの方が楽です。

植え替え自体も小さいとやりにくいです。

土に並べている状態で芽が出てから日光に少しずつ当てていくのですが、あまりに当てないでいるとこんなチビちゃんでも徒長してしまいますので注意が必要です。徒長については以下の記事で解説しています。

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真夏の直射日光でなければ普通に日光浴させて大丈夫です。健全な育ち方をさせたければ日光に当てましょう。

気軽に葉挿しにチャレンジ!

パキフィツムも葉挿し向き

はっきり言ってハードルは高くありません。他の増やし方の方が手順があったり、親株を傷めないようにやるのでビギナー向けではありません。

ちなみに葉挿しをするときの親株は、葉を取っても通常は枯れません。

傷んでいたり伸びすぎてという状態でなければそのまま管理しておくと、子株や葉が出てきます。

さすがにすべて葉を取ってしまったらダメかもしれませんので、少し残して様子を見るのもありです。

 

親株が徒長しすぎてちょっとダメそうだから葉挿しする、親株が痛んでいるので葉挿しで救出するという状況もありえます。

何度も言いますが、やみくもに増やす目的で葉挿しをすると管理ができなくなります。

さすがにすべての葉が苗になり大きく育つまで育成できるかはわかりませんが、20枚葉挿しにしてすべて3号鉢程度になったら20個の鉢植えを用意して管理しなくてはいけません。

そのあたりはご自身の育成スペースとの相談です。

 

今回は基本的な葉挿しの話を書きました。

次回からは現在葉挿しにしているものや、これから葉挿しにするものを写真付きで紹介していきます。

少しでも参考になれば幸いです。実際のイメージがわいた方が同じような状態になった時にわかりやすいと思います。

どうしても多肉が育っていくと伸びてしまったり、傷んでしまったり、トラブルが発生することがあります。

そんな時に増やし方や救出方法を知っているか知らないかで枯らさずに済むかもしれません。

ぜひ多肉の管理に少しでも興味を持っていただきたいです。

今回もご覧いただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。

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